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ELECTRONICA-JAPANESE

ELECTRONICA-JAPANESE に関するレビュー・試聴・情報を紹介しています。
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ロボ『Flage』

ROVO 『FLAGE』

 畳み掛けてくる美しい音楽を聴いたことがありますか?そうキレイなのにアグレッシブっていう。1曲を除いて各曲12分以上の大作。全6曲オールインスト、人力トランス。飛ぶのに十分!(笑)・・・

 ボアダムス(またいずれ)のギタリストとしても知られる山本精一、渋さ(こちらもいずれ)のプロデュースでも知られる奇才ヴァイオリニスト勝井祐二らを中心とした、個性派ミュージシャン7人による「宇宙っぽいことをやろう」^^で集まったバンドROVO(ロヴォ)。今日の1枚は2002年にリリースされた、ミニアルバムも含めると5作目となるオリジナル・アルバム『FLAGE』です。

 「人力トランス」とは上手いこと表現したもので、チャラチャラしたトランスではなくて辞書に載っているようなトランス・・・「トランス【trance】:催眠状態やヒステリーの場合にみられる、意識が通常とは異なった状態。受動性・被暗示性が高まって自発的な行為が減少し、運動・知覚・思考などの異常性が誘起されやすくなる。(Yahoo!辞書より)」として解釈するなら、まさにトランス。トリップ出来る系、特にROVOの音は外に向かうベクトルの陶酔感・一種の依存感?が得られます(笑)。

 こちらが試聴です。音符のマークをクリック試聴できます。私的おすすめは、美しき高揚感がたまらない1、特に疾走感のある2、唯一の短い曲で無国籍系アンビエント3、ファンキーな人力ブレイクビーツ宇宙行き(?)な4、美しく畳み掛けるトランス状態必至の5、終始ビート無しのアンビエント陶酔系6曲目です。全曲でしたね。私がハマったってことです^^。

 試聴ではあまりに短すぎて、ROVOの魅力を1万分の1も伝えられないのが残念です・・・
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テイ・トウワ『Flash』

TOWA TEI 『FLASH』

 ちょっと前まで私の着メロだった曲が収録されているアルバムです。もうテレビで聞いて一目惚れならぬ一耳惚れ。まぁキャラにもやられたのかもしれませんが、そのチャーミングでキャッチーなサウンドに心を鷲掴みされていたのです。DAIKINエアコンの「ぴちょん君」が出ていたアレ(下で試聴可)です。

 教授こと坂本龍一によって紹介され、アメリカでのハウス・ユニットディー・ライトとしての活躍や、比較的最近のスウィート・ロボット・アゲインスト・マシーン名義でも知られる、Towa Tei(テイ・トウワ 本名は鄭 東和)。前作『Last Century Modern』(こちらはいずれ!)以来、約6年ぶりとなった4枚目のアルバム『フラッシュ』、2005年リリースです。

 ディー・ライト時代(ちょっとオンタイムではないのですが)から軽くお世話になっていますが、TT(TOWA TEI)というと歌モノの作りが特に上手いという印象です。以前ほどハウスという印象は受けませんが、今作でも歌やボイス・サンプリングを多く取り入れつつ、キャッチーでチャーミングに聴かせる手腕は健在。特にカワイイ系の曲は絶品です。

 こちらが試聴icon(iTunes専用です。インストールしていない方はこちらから無料でダウンロードできます。→iTunes 曲名をダブルクリックで10曲全曲聴けます)です。自動的にiTunesが起動します。iTunesを入れたくない方は後述のサイトからぴちょんくんと2曲PV付きで聴けます。私的おすすめは、軽くアジアン・テイスト入った「SOMETIME SAMURAI」2、特に中間部(CMで流れたフレーズ)から私の心を鷲掴みな「DIFFERENT NU NU」3、ハウス界の至宝的ボーカリストバイロン・スティンギリーをフィーチャーしたテンポ良いハウス「MELODY」4、上手いなぁと思わず唸るかわいらしい系「BIANCO」6、軽快な2STEP風「HUNTER GREEN」9曲目です。

 う~ん、チャーミングでハッピーな曲がズラリ並んでます・・・
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サイレント・ポエツ『TO COME...』

SILENT POETS 『TO COME...』

 なんと申しましょうか、荘厳なエレクトロニカでございます。ダウンテンポで、身の引き締まる思いのするダブでございます。所謂テクノとは全く違った次元で鳴っている音でございます。

 トラックの大部分を作りプロデュースも手掛ける下田法晴(Michiharu Shimoda)と、キーボードの春野高広(Takahiro Haruno 2000年に脱退)によるエレクトロニック・ダブ・ユニットSILENT POETS(サイレント・ポエツ)(現在は下田法晴のソロ・ユニット)。今日の1枚は1999年リリースの彼らの6作目『トゥ・カム...』、世界的にも高い評価を集めたアルバムです。深いです。

 繰り返しになってしまいますが、深く美しいのです。過度に処理されたダブではないので、普段あまり耳にしない人にも聞き易い音だと思います。派手さは全くと言って良いほど無く、じわりじわりと心に入り込む叙情的で、思いのほか(というか私がそう感じるだけかもしれないが)日常的で映像的な印象を受ける作品。静かに耳を傾けるべし、いや傾けたくなるのです。

 こちらが試聴(長めに聴けます)です。2006年にショートフィルムやPV収録のDVD付きでリイシューされた音源なので、ラスト3曲は追加収録です。私的おすすめは、切ないストリングスに天使のようなヴァージニア・アストレイのウィスパー・ヴォイスが乗る「I Will Miss This Holy Garden featuring VIRGINIA ASTLEY」2、4ヒーローっぽい宇宙的な深淵さの「Someday featuring ANOMOLIES」3、何なんでしょうかこのセンスは!柔らかく温かみのあるダブ5、ポエトリー・リーディングやラップを取り入れた「Prisons featuring ANOMOLIES」6、天から降り注ぐような音楽「Sugar Man featuring TERRY HALL」8、センチメンタルなメロディが印象的な「Save The Day featuring ROBA」10、ちょっとノイジー音を含みながらデリケートな旋律に惹かれるアンビエント11曲目です。

 全曲上質な語り口で、まさに静かなる詩人SILENT POETS)なのです・・・
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スズキスキー『Ozma』

↓↓当サイトで紹介した他のスズキスキーのディスクはこちら
SUZUKISKI

SUZUKISKI 『OZMA』

 結構待った感じ。っていうのも最近レイ・ハラカミがいろんな形での作品をリリース・ラッシュしていたので、私の中で彼とはどうしても切れないSUZUKISKI(スズキスキー)のアルバムは、強く待ち望んでいたもののひとつだったのです。

 SUZUKISKI、鱸こと鈴木隆弘。今作はSoup-Diskのサポートで自らのレーベルLogic Records(ロジック・レコード)を立ち上げ、その新レーベル第1弾となる『オズマ』、2006年つい最近発売になったばかりです。気付くと前作『Helix』から3年以上経っていました。

 原盤制作まで全曲完全宅録というだけあって、非常にプライベートな印象です。あと音響的、音的に楽しい試みが多いと感じました。尖った音、丸い音、生音、電子音。故意に加工され元と違う印象になった音達も集まって、ひとつの空間を作り上げてる感じ。そしてその空間の重力は結構少なめ。全体的に浮遊感あります。ハラカミ好きでスズキスキーを聴いたことのない人は迷わず試聴しましょう。

 こちらが試聴icon(iTunes専用です。インストールしていない方はこちらからフリーでダウンロードできます。→iTunes 曲名をダブルクリックで18曲全曲聴けます)です。iTunesが起動します。iTunesを入れたくない方、もう少し長めに聴きたい方はこちらから5曲聴けます。→Soup-Disk 私的おすすめは、時間というものを感じされられるタイトル曲1、尖ったり丸かったり様々な電子音が踊る抽象的な「hint oyaji」2、ビート(バスドラム)がフカフカしていて気持ちイイ四つ打ち「cow」3、短いけれどやさしい気持ちになれる和声がいい5、夢幻的なビートなしアンビエント「dead death」6、リズムも音の流れ・メロディーもなかなかに突飛な「forever」8、ぼよんぼよんしながら耳には刺激的な「doodling」10、アヴァンギャルドで途中で曲調の変わる11、ハウスっぽいというか2STEPっぽいというか踊れる「diode」12、ファットなビートでこちらも踊れる「school zone mix」13、イントロのシンセから宇宙一直線な「nagisa」14、短いけれどすごく快適な四つ打ちグルーヴ17、中毒性の高いミニマル感のある「saturday mix」18曲目です。

 絶妙なバランス。真摯とユーモア・・・
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東京ザヴィヌルバッハ『Cool Cluster』

TOKYO ZAWINUL BACH 『COOL CLUSTER』

 ジャズ好きに聞かせるのは一抹の不安が頭をかすめますが・・・まぁいいでしょう(開き直り)。ジャズ好きの方、ぜひ聴いてみてください!電子音の存分に入ったアヴァンギャルドなジャズです。

 デート・コース・ペンタゴン・ロイヤル・ガーデンでもお馴染みの2人、ジャズをベースに比較的先鋭的な音楽性を持つ実力派キーボード奏者坪口昌恭(Key&Computer"M" on macintosh)と、映画音楽監督/文筆家/音楽講師など肩書き多数の、おそらく現在最も忙しいジャズ・ミュージシャン菊地成孔(Sax&CDJ)によるユニットが東京ザヴィヌルバッハ。今日の1枚は2002年リリースのオリジナル・アルバムとしては1st『クール・クラスター』、生身の人間と機械の気持ちいい出会いです。

 リズム・セクションを担当しているのは、フランスで80年代に開発された「M」という、音楽を自動的に生成するコンピュータ・ソフト。M(B&Dr)による奇天烈なリズムトラックに反応・シンクロする2人のプレイは、熱くなくスリリング。コンピューター・ソフトとのセッションながら、血の通ったインプロヴィゼーション(即興)的な21世紀型フュージョンを聴かせてくれます。

 こちらが試聴(ちょっと長めに聴けます)です。曲は7曲と少ないですが10分近い大曲もあります。目くるめく展開で説明し難いので、試聴で聴ける範囲でのおすすめポイントを。私的おすすめは、ポリリズム感全開スットコリズムの2、坪口昌恭の柔らかい感覚が発揮された3、ファンクやフュージョンのグルーヴを感じる4、テクノ寄りサイバー・ファンク5曲目です。他の曲も試聴では聴けない美味しい仕掛けがたくさんあるので、踊れない系テクノが好きな人(生音好きは特に)にはツボ率高いと思います。

 実験的ですが、かなりポップな耳触りです・・・
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